子どもから、「公園から帰りたくない!」と言われませんか?
お散歩に出かけ、公園で元気に遊んだら、そろそろ給食の時間。
まだ帰りたくない!
と言ってなかなか公園を出発できないこと、”保育あるある”ですよね。特に1歳児、2歳児クラスに多い場面かも知れません。
そもそもまだまだ小さい子どもたち。”自分の気持ちに折り合いをつける”ことが難しいのは当たり前!なので、悩みすぎないでくださいね。
ただ、安全上や衛生管理上、または、生活リズムを整えるため、ある程度決まった時間に帰園しないといけないのも事実。
ということで、保育士歴10年の私が、実際に子どもが安全に楽しく園に戻れるよう気を付けていたことをご紹介します。
みなさん日々工夫していると思いますが、少しでも参考になれば嬉しいです。
1.「帰ろう」「おしまい」という言葉をなるべく使わない
園に帰ることを知らせるとき、どのような言葉掛けをしていますか?
私は「そろそろ帰る時間だよー!」「もうおしまい!」とは、なるべく言わないようにしていました。
”帰る”や”おしまい”という言葉は、子どもに楽しい時間の終わりを強く意識させてしまい、それを聞くと反射的に”いやだ!”という気持ちが大きくなりやすいように感じていたためです。
なので、”終わり”を感じる言葉をなるべく使わずに、楽しい時間がまだ続くような言葉選びを心がけていました!
実際によく使っていたのは「さ、もうすぐ出発するよ〜!」ですね。片付けも「おもちゃ全部持っていこうね」など。
どうですか?時間の”終わり”ではなく、”続いていく”感じがしませんか?
伝えるときの保育士の心持ちも”はい終わり!”ではなくて、あくまで園生活の流れの一部であることを意識して、構えず自然体でお話ししてください。良くも悪くもその気持ち、伝わります!
ちょっとしたことですが、日々、公園から出発する時間が”嫌なもの”と印象付けないことを気をつけていました。実際に効果を感じていたので、よかったら取り入れてみてくださいね。
「帰り道、電車見えるかな?」「猫ちゃんまたいるかな?見つけたら教えてね」など帰り道が楽しみになるお話もいいですね。もちろん「帰って⚪︎⚪︎先生に公園の名前教えてあげたら、そんな遠くまで歩いたのー?!ってびっくりするかも!お部屋で待ってるかな?」など、帰園後の楽しみになるようなことをお話するのも素晴らしいです♪
クラスに入る先生以外にも、”公園からなかなか帰れなくて困っている”などと悩みを共有しておくと、帰ってから意識的に子どもに声をかけてくれるなどのサポートを得られやすいですよ!
2.給食が楽しみ!+栄養士さんや調理員さんとの関わりを楽しむ♪
「帰った後は、美味しい給食が待っている!」と、食べるのが大好きな子は公園から保育園に帰るのが楽しみな様子があります。
「今日の給食はなにか知ってる?」と話題にするのも、楽しみな気持ちがくすぐられてとってもいいですよね。
さらに、いつも園で子どもたちの帰りを待っている栄養士さんや調理員さんとのやりとりも、帰園後の楽しみになるようにしていました♪
調理室の窓から、子どもが「今日の給食なんですか?」と問いかけて、お話をしてとっても喜んでいましたよ。
ずっと一緒に過ごしている保育者以外とのやりとりは特別感があるようで、例えばスーパーでのお買い物のときに店員さんとやりとりができたような、誇らしげな姿がありました。
もちろん、日頃の食育活動へ協力してもらったり「(栄養士の)⚪︎⚪︎先生がごはん作って待ってるね」と日常的に子どもたちと話したり、親しみが持てるようにしていました。
園の環境や人員によりますが、可能ならばぜひ取り入れてみてください。
栄養士さんや調理員さんも子どもとの直接的な関わりがやりがいに繋がりますし、子どもの姿を見てくれているからこそ日頃の連携も取りやすくなると思います。
園全体を巻き込みながら保育していきましょう!
3.帰る5分前に「もうすぐ出発だね、もう少しだけ遊べるよ」と伝える
夢中で遊んでいていきなり「出発!」と言われるより、心の準備ができますよね。
”今は砂遊びがしたいけど、ボール遊びもしたいからあとでやろう”と考えている子は、このタイミングで慌ててボールを取りにくることもあります。
目安として2歳児クラス以上で公園に時計があれば、遊び始める前に「長い針が7になったら出発するよ」と一緒に時計を見ながら伝えておくのもいいですね。
そして忘れてはいけないのが、一緒に公園に来ている他の保育士にも、その日公園を出る目安の時間を必ず共有しましょうね!
主担任だけでなく、全ての保育士が見通しを持って保育できることは、子どもが心地よく過ごすためにも大切です!
補助の立場からしても、帰園時間がわかっていた方が、子どもとめいいっぱい関われますし、様子を見て使ってない玩具からさりげなく片付けるなどの準備もできて動きやすいです。
声を掛け合い、連携をとっていきましょう!
4.最後におもちゃを使わない遊びをする
「最後によーいどんしたい人ー?」と募り、かけっこしたい気持ちが盛り上がると「じゃあおもちゃここに入れておこう!始めるよ〜!」と誘えば片付けもあっという間です!
帰る前に水分補給をするならば「じゃあ、パワーが出るお茶をまず飲むよ〜!」と誘うのもいいですね。
最後の遊びに誘う→片付け→水分補給→手ぶらで最後の遊び→そのままの流れで出発!がおすすめです。
かけっこのような遊びの場合、スタートを公園の奥、ゴールを公園の手前、つまり安全な範囲で出入り口に近いところに設定すると出発しやすいですね。
または、”そろそろ出発できそうかな”というタイミングで担任が走り出し、出入り口近くで振り返ると子どもが追いかけっこのようについてきて楽しく出発できることもあります。
”楽しく出発”とはいえ、子どもが公園から飛び出さないようにする、人数確認をしっかりするなどのいつもの安全管理は絶対に忘れないようにしましょうね!
5.保育計画を見直す
出発時間〜帰園時間に対して、公園までの距離や遊びの内容は適切ですか?
遊び足らないと感じると”帰りたくない!”という気持ちは強くなりますよね。
例えば、午前中の活動が立て込んでいて、公園でたっぷり遊ぶ時間がないというときは、思い切って午前中は室内遊びにして、可能であれば午後に散歩に行くと計画することも良いですね。
または、その日は午前中に室内で食育活動+戸外活動という計画だったとしたら、子どもにもその流れを伝えます。戸外で遊び始める前に”今日はいつもより公園にいる時間が短い”こと、”帰ったら食育活動で作ったものを給食で食べるなどの楽しみがある”ことを話すと良いでしょう。そして、あれこれとおもちゃを広げるのではなく、短時間でも楽しめそうなおもちゃを少し持っていくくらいが良いと思います。なんならおもちゃなしで、思い切り体を使って遊びましょう!
保育園のお散歩で「公園から帰りたくない!」そんなときには?まとめ
最後に『保育園のお散歩で公園から「帰りたくない!」そんなときには?ポイント5つ』おさらいをしたいと思います。
- 「帰ろう」「おしまい」という言葉をなるべく使わない
- 給食が楽しみ!+栄養士さんや調理員さんとの関わりを楽しむ♪
- 帰る5分前に「もうすぐ出発だね、もう少しだけ遊べるよ」と伝える
- 最後におもちゃを使わない遊びをする
- 保育計画を見直す
園の状況や子どもの姿などで一概には言えないかと思いますが、少しでも参考になれば嬉しいです!
日々の保育、お疲れさまです。
まだ慣れていないと特に、他の先生からの視線が気になって焦ったり、どうしていいか分からず困ってしまうこともあるかも知れません。でも、この記事を最後まで読んでなんとかしようとしている姿勢が素晴らしいです!
自分なりに考えて手を尽くしつつ、ぜひ周りの先生たちにも困り感を共有して、巻き込んで、みんなで解決していけるといいですね!子どものためだけではなく、自分のためにも、職場の人間関係にとっても、共有してコミュニケーションをとっていった方が良いと思います!応援しています!